2024年3月期の業績は、保守・保全業務の堅調な成長、リニューアル業務の大幅な成長により、売上高、営業利益ともに過去最高の業績となり、VISION2027達成に向けて順調に推移しております。
JESグループは、「何よりも安全のために。」「見えないからこそ手を抜かない。」「信頼を礎に。」を経営理念として、中期経営計画の達成に向け、拠点網の拡大を進め、採用強化による体制強化を進めた結果、国内保守契約台数は2024年3月期に10万台に到達、2024年12月に11万台にまで成長しました。保守契約台数の増加に伴い、当社グループがメンテナンスするエレベーター等の利用者は増えることから、我々のサービスにかかる社会的責任はより高まり、JESグループのマテリアリティである「品質安全」とそれを支える「労働者安全エンゲージメント」がより重要になっていると認識しております。
従業員数は、2024年12月末時点で2,024人、内、技術者は1,260人となり、2024年3月末から増加しています。近年の労働人口の減少、人手不足という日本の社会的課題に対して、従業員の処遇見直し等に取り組み、強固な体制整備を進めております。
2024年3月期に大幅に成長したリニューアル業務は、エレベーター等の経年劣化による老朽化に際して、撤去・新設をするのではなく、信頼性・安全性・運転効率などの向上を目的とした制御盤・巻上機だけを改修するもので、環境にも配慮したサービスとなっています。また、機種によってはメーカーから部品供給が停止される可能性があるため、リニューアルすることで、安心・安全・快適にエレベーター等を利用いただくことが可能となります。
2025年3月期からは、エスカレーターリニューアルを本格的に開始しました。エスカレーターはJESグループの保守契約台数の約5%を占めており、リニューアルサービスを通じた社会貢献ができるものと考えております。
2024年6月に行われた定時株主総会にて、取締役会の体制を見直し、活性化と監督機能の強化を進めました。ガバナンスが強化された取締役会のもと、サステナビリティ委員会を中心に、サステナビリティの取り組みを推進し、サービスを通じた社会課題の解決に努め、ステークホルダーの皆様とともに、持続的な社会の創造を進めたいと考えております。
引き続き、ご支援賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役会長兼社長 CEO
石田 克史
皆様、日頃からJESグループをご支援いただき、誠にありがとうございます。
JESグループの2025年3月期業績は、最高業績であった2024年3月期を上回り、過去最高となることを予想しております。
世界では変化の激しい国際政治・経済の情勢や環境課題の増加、日本においても少子高齢化による労働人口減少など様々なリスクに直面しており、事業環境は不透明感を増していると認識しております。
VISION2027にて、財務目標、株主還元に加えて、ESG経営の推進を掲げておりますが、社会課題に向き合う上で、ESGの取り組み強化は、サステナブルな社会実現、持続的な事業成長のために重要であり、上場企業としての責任であると考えております。
ここでは代表的な取り組みについて説明いたします。
■健康経営の推進
JESグループのマテリアリティのとおり、人材確保は重要な経営課題です。人材確保のため、新卒および中途採用活動の強化、人事制度改定による賃上げ、環境整備、人材育成制度の拡充など、人的資本の強化を推進しております。取り組みの1つとして、「健康宣言」を掲げ、従業員がいきいきと、豊かで快適・健康な社会生活と、経済の発展に貢献する社会を目指し、新しい取り組みを行っております。
■ガバナンス強化、多様性の推進
2024年6月に行われた定時株主総会にて、取締役会の体制を変更し、取締役5名のうち3名が社外取締役(内、女性2名)となり、社外取締役比率が60%と過半数以上となりました。
また、監査役3名のうち社外監査役が2名(内、女性1名)選任された結果、東京証券取引所がプライム上場企業に要請している「2030年までに、女性役員の比率を30%以上とすることを目指す」という内容についても、女性役員比率37.5%と達成となりました。
引き続き財務・非財務の両輪を回し、事業の発展、社会課題解決を目指してまいります。
取締役副社長 CFO
経営管理本部長 サステナビリティ委員長
今村 公彦